平成22年2月25日、【事業承継に向けた自社の経営把握~決算書の読み方~】と題し、
青年部ワンポイント経営塾を潟上市商工会広域指導センター(天王)にて開催いたしました。

開催に先立ち、川上正明 部長(川上設備工業)よりご挨拶が。

講師は小林指導員が務めました。

さて、小林指導員お手製の資料を使い、ワンポイント経営塾は進みます。

決算書の中の代表的な様式として「貸借対照表(BS)」「損益計算書(PL)」があります。
○貸借対照表とは
貸借対照表は資産・負債・純資産の状態を一覧で表示したもので、
現金・預金・売掛金・買掛金・借入金などの各残高が表示されています。

資産の部は、資金をどのように運用しているかを見ることができ、会社の財産がいくらあるか示しています。
負債の部は、借入等により調達された金額を見ることができます。他人資本とも言います。
純資産の部は、株主等から集めた資本と会社の利益を見ることが出来ます。自己資本とも言います。
貸借対照表は安定した経営が出来ているかを見る指標なのです。
たとえば、純資産(自己資本)はプラスの状態が通常なのですが、これがマイナスになれば問題です。
☆純資産がプラス・・・・資産(会社の財産)の金額が負債(借入など)を補えている状態。
★純資産がマイナス・・・負債の金額が資産の金額を上回っている状態。
純資産がマイナスになっている状態を【債務超過】と言い、経営が健全で無い状態を示していることになります。この場合、会社の信用はかなり落ちてしまい、資金調達などに支障をきたします。
○損益計算書とは
損益計算書は、経営者がどれだけうまく会社を経営したのかを評価する指標です。
収益と費用の状態を一覧で表示したもので、
売上・仕入高・経費の各累計と、期末時点の利益又は損失が表示されています。

売上等の収益から経費などの費用を差引いて利益を計算します。
☆収益-費用=利益
利益にも5つの種類があります。
◇売上総利益・・・売上高から売上原価を差引いた大枠での利益。
  <売上高(販売やサービスで得た収入) - 売上原価(売上高に対応する原価)>
◇営業利益・・・・企業本来の営業活動で生じた利益
  <売上総利益 - 販売費及び一般管理費(販売活動や管理にかかる経費)>
◇経常利益・・・・企業の経常的な活動から生じた利益
  <営業利益+営業外収益(受取利息・雑収入など)-営業外費用(支払利息・雑支出など)>
◇税引前当期純利益
  <経常利益+特別利益-特別損失>(特別損益…有価証券売却損益・固定資産売却損益など)
◇当期純利益・・・企業の最終的な利益のこと
  <税引前当期純利益 - 法人税等>
損益計算書で計算される利益は手元のお金とは異なります。
まだ回収していない売上も収益となるので、
「実際お金は無いのに利益が出ている」ということもあります。
詳しくは次段で。
○キャッシュフロー計算書とは
昨今取りざたされているのはキャッシュフロー計算書。
これは、資金が効率的に調達、運用されているかを見るため、お金の流れを総合的に分析するものです。
今、使える手持ち現金がいくらあるのか、というところでしょうか。
“黒字倒産”という言葉をご存知でしょうか。
利益は出ているのに、お金が無く、経営が立ち行かなくなり倒産してしまうことを言います。
利益が出ていても売掛債権を回収できていないとこういうことになります。
営業に関する諸々の支払いは、原則として「売上代金」で賄われていきますね。
つまり、売掛の回収が遅れれば、即、資金不足となってしまうわけです。
相手先に対し「うちは毎月○○日に必ず売掛を回収しますよ~」と
徹底した周知ができればいいですね。
また、キャッシュフローの基本としてよく言われるのは、
「売上(掛)の回収サイトを早くし、支出の支払サイトを遅くする」
つまり手元に長くお金をおくことが健全な経営につながるということになるでしょうか。
こういった勉強をなくして
「さて、それじゃ、決算書を読んで経営の現状や課題の分析を・・・」
なんて、出来ないですよね。
決算書は単に「税務署に提出するため」ものではなく、
“経営力”を“強化”するため、“自社の信用”を“形で表す”ためのもの。
すなわち企業の“武器”と言えるものなのです。
青年部は企業の代表、若しくは後継者であり、“事業継承”は永遠のテーマとも言えます。
今回のテーマである『決算書の読み方』も、初歩の初歩と思われがちですが
部員の中には自社の決算書をじっくり見たことも無かったという人も。
これでは、事業を自ら運営していく“経営者”として事業を運営するのにはちょっと力不足。
今回、会計を知るところからはじまり、決算書の仕組み、活用法などを勉強した部員達。
決算書を有効に活用することが会社を元気にする、ということが、理解できたのかな、と思います。
今後も、こういった講習会を積極的かつ貪欲に受講し、自らの力としていただきたいものです。